ISO食品安全通信 第19号

ISO食品安全委員会です。

今回のISO食品安全通信は最近発生した「大規模な食中毒事件」ついてお話します。
 
 
愛知県I市の業者が1月29日以降に製造した弁当が原因で幼稚園児ら500人以上が嘔吐や発熱、下痢などの症状を示し、11人の園児のうち9人からノロウイルスが検出されました。
園児2人が一時入院し、新たに事業所の従業員1人が入院している(2/5現在)。
弁当を製造した業者は2/4付で営業禁止処分となりました。
2/3日夜までに症状がみられたのは、私立の7幼稚園の園児439人と職員49人、6事業所の従業員20人、配食サービスを受けた3人で、各所に計2千食が提供されていました。

ノロウイルスは感染力が強く、これまで大規模な集団食中毒を発生させています。
ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などです。
潜伏期間は1~2日程度で、通常は1~2日ほどで治まりますが、子どもや高齢者は重篤化することがあります。

ノロウイルス食中毒を予防するには、
手洗いをこまめに行う
二枚貝は中心温度85~90℃で90秒以上加熱する
下痢や嘔吐などの体調不良時は調理を避ける
残菜は密封して捨てる
吐物処理やトイレ清掃は使い捨ての手袋やマスクを着用する
調理器具や調理台は熱湯や次亜塩素酸ナトリウムで消毒する

ノロウイルス食中毒は、感染者の糞便や吐物に大量のウイルスが排出されるため、人から人への感染も見られます。また、感染していても症状を示さない不顕性感染者もいるため、注意が必要です。

環境衛生学研究室 岸本 満
食教育学研究室 髙田 尚美
給食経営管理研究室 福岡 恩 上田 和世
食品安全チーム 大野 吉孝